指揮者コラム番外編「埼玉県合唱祭(2019年度)に寄せて ~『刮目せよ!我ら名前のない合唱団』『リフレイン』~」

 大トリはいいですね。
 どんなに散らかっても自分達で責任がとれるので、大胆な表現ができます。まあ、大トリじゃなかったら散らかさないかって言ったら、結局散らかすんですけども。笑

 この日を迎えるにあたって、たくさんの方がそれぞれの立場から合唱団を支えていました。団員の皆さんが、真摯に練習を積み重ねていてくれました。ピアニストの上南さんも、ほとんど打合せができない中で、素晴らしい表現をしてくださいました。譜めくりさんも、肝心なときにいつもかけつけてくださいます。事務局は、僕の日程に合わせて全てのお膳立てをしてくれました。そして何より、遠征のバスが、運転手込みで自前調達できる合唱団とか、尋常じゃありません。その全てが、今回のステージの成功に繋がっていたと思います。

 私個人は、やはりブランクを感じておりました。気持ちも体も準備はできていたつもりではいたのですが…。私の中に流れる音楽に、運動神経がついてこなかったように思えます。見づらいタクトの中、この演奏までもってこられたのは、やはり皆さんの練習の成果です。

 『刮目せよ!我ら名前のない合唱団』は、宝物ですね。「オリジナル曲があることは強みですね」というコメントの通りだと思います。ラーニングドラゴンという類い稀なる才能を抱えた合唱団だからこそ。
 ネタソングをネタにするには、音楽を聴き苦しくさせない技術の下地が要ります。例えば、「言葉を聴衆に伝える」ことは、容易な作業ではありません。それを達成するために、「ネタ歌詞を地味に反復練習する」というのは、実は強靭な精神力を必要とします。それを平然とやってのけるこの合唱団は、やはり刮目すべき合唱団だと私は思っています。

 『みやこわすれ』という曲を選ぼうか最後まで二択で迷いましたが、練習中にもお話ししました事情により、『リフレイン』を選びました。笑

“リフレイン”というテーマでありながら、“一度きりの今”を歌うという心地よい矛盾。
“人は、変化のない似通った日常に物足りなさを感じ、時に絶望する生き物だ。”
“しかし人は、その繰り返しの中からも、かけがえのない価値を見出だすことができる生き物でもある。”
 感動を内包し、それでいて人間臭くなく。そんな表現を心がけてきましたが、いかがだったでしょうか。

 「くりかえし見つめ合い くりかえし好きという」。
 このフレーズは、“人の意志”を内包しています。見つめ合い、好きと伝えることができる相手がいる幸せ。その幸せを、日常の「くりかえし」の中に埋没させず、意志をもって「くりかえし」ていくこと。それが、“人として生きる”ということなのかもしれませんね。

 技術的な課題としては、「鮮烈なp」と「繊細なf」を挙げておきます。
ちなみに、誤植ではありません。笑

ppになっても衰えず言葉を伝えられること。
ffになっても崩れずハーモニーを構築できること。
それを要求できる段階にきていると感じています。

 結びになりますが、本番前日と本番のみという契約で、私を起用してくださり、ありがとうございました。またいっしょにステージに立ったとき、さらによい演奏ができるように、共にがんばりましょう。

 とりあえず私は、ちょっと体重落とします。

令和元年6月16日
平田 由布

※当団常任指揮者、平田由布による不定期連載コラムですが、今回は埼玉県合唱祭出演を受けて、番外編をお送りしました。
第1回「“手段”としての音楽」
第2回「人は力」
第3回「合唱人は変人?

第4回も間もなくお届けできる予定ですので、お楽しみに!!

夕涼みコンサートに出演します


狭山市 夕涼みコンサートに出演します
日時:2019年7月7日(日)14時頃演奏予定
会場:狭山市水野公民館(地図
主催:狭山名曲鑑賞会
入場料:無料
演奏予定曲:
 福笑い
 どんなときも
 人生たまたま……さいたまで
 Just For Your Life(ベルクのテーマソング)
 小さな空 → ハレルヤ・コーラス
概要:3ヶ月連続の本番ラッシュ、最後は狭山市水野公民館で毎年開かれている夕涼みコンサートです。狭山市周辺で活動している地域の音楽家が集まって開かれる、アットホームなコンサートとなっています。ななしでは2013年から夏の「夕涼み」か秋の「コスモス」どちらかに出演しています。
 例年、選曲に悩んでしまうこのコンサートですが、今年は団員の推しポップス曲から高橋優さんの『福笑い』、槇原敬之さんの『どんなときも』、そして映画「翔んで埼玉」に沸いた空前の埼玉ブームに便乗し『人生たまたま……さいたまで』、埼玉を代表する食品スーパー・ベルク店内で掛かるストアソング『Just For Your Life』。さらに、E-joyコンサートでも演奏した『ハレルヤ・コーラス※』と多彩な曲目でお届けします。(※都合により、当初予定していました武満徹さんの『小さな空』から差替えさせていただきます。)

6/16 埼玉県合唱祭♪

平田の令月にして、
気淑く風和らぐ。
弟は今日まで練習を披き、
兄は二見の港より帰らむ。

本日、演奏を聴きにお越しいただきました皆様、まことにありがとうございました。

いかがでしたでしょうか。

個人的には、開演から最後の最後の『大地讃頌』まで楽しめたステージでした。

 

今日は、中型免許を持つ団員が運転するマイクロバスで、

川越駅に集合 ⇒ 直前練習 ⇒ さくらめいとで本番 ⇒ 川越駅で解散

という長丁場。うーん、でも遠足みたい。ちなみに帰りのバスの中でこれ書いてます。

 

さて、冒頭の解説をせねばなりません。

パンフレットをご覧になった方もおられると思いますが、当団の紹介文にはこのような文章を記載いたしました。あ、いちおう説明しておきますと、令和の万葉集が元ネタです。

そして今回のステージ、驚かれた方も多いのではないでしょうか。

そうです。まさかの指揮者変更。

曲の変更はよくあるのですが、指揮者の変更。これはさすがになかなかない。

このブログを普段からご覧になる賢明な読者の皆様はご存知かと思いますが、当団の常任指揮者 平田由布は昨年4月より小笠原に赴任中です。

(こちら参照 ⇒ https://nanashi.daa.jp/?p=2416 )

そのため、弟の団長による練習の指導と本番の指揮が多いのですが、

平田、6月に帰ってくるってよ

おや? 合唱祭の日付と重なっているそ

これはやるしかない

このいまは いちどだけ

というわけで、台風などで帰って来られない場合もありうるので、いちおう団長を指揮者の予定としておいて、帰って来れられたら実行。その悪ふざけを令和の歌で端的(?)に表現してみました。

ちなみに二見というのは、小笠原の港の名前です。

『刮目せよ! 我ら名前のない合唱団』の歌詞も今回専用に一部を差し替えました。

歩みし道は違えども 今日この日こそ交わらん
全員揃うの今日が初めて 我ら名前のない合唱団

歩みし道は違えども 今日この日こそ交わらん
指揮者が来たのも昨日が初めて 我ら名前のない合唱団

まあ、差し替えたの、本番の数時間前なんですけど。

 

昨日のブログの「秘密」とは、もちろん常任指揮者による練習のことです。

『刮目せよ! 我ら名前のない合唱団』という曲でもお分かりの通り、当団(主に筆者)は悪ふざけが大好きです。たまに(主に筆者)怒られます。

さて次のステージは、7/7 夕涼みコンサートです!

これからも、くりかえし くりかえし 楽しんでいきたいですね。

怒られない程度に。

昨日に引き続き、刮目作詞者でした。

6/15 合唱祭 前日(秘密の)練習

明日がいよいよ埼玉県合唱祭本番となりました。本日はそれに向けて大詰めとなる練習です。

あいにくの雨です。うちには筆頭の雨男がいるのですが、彼がやる気を出しすぎたのでしょう。練習開始時間がピークでした。

いろいろと指摘がありました。テンポやディナーミクの設定確認。発音などなど。

あとは明日の直前練習を残しての、最後の仕上げなのですが、

仕上がった、のか・・・?

いや仕上がったはず。そのはず。

それはまあ、お聴きのうえ、ご判断いただくってことで。

上記 ” What’s Next? ” に詳細が記載されておりますので、是非お越しください。

5日間開催の合唱祭で、僭越ながら当団が(たまたまだけど)大トリを務めさせていただくこととなっております。

最後の客席との全体合唱『大地讃頌』もステージ上で歌いますので、お越しになられたら一緒に歌ってください。我々も客席に負けない勢いで歌います。

なお、既に合唱祭パンフレットをご覧になられた方もいらっしゃると思います。その紹介文に「解説はHPまで」との記載がありますが、明日のブログにてその解説と「秘密」の説明をします。22時ごろまでには更新する予定です。

ではでは、明日のステージにてお待ちしております。刮目作詞者でした。

6/9 来週本番♬ ワクワク…⁈

関東梅雨入りで気分も気持ちも体調もイマイチな皆さん、そんな時は名無し練習に参加して「スカッと爽やか、○○コ〜ラ〜」(古!)

今日は本練習前に77夕涼み」の音取り・確認自主練もあったようで、事務局さんいつもありがとう。熱心な団員さん、そういうとこ、私は好きだ!

さて本練習の参加パートはB3T4A6S5(くらい)
ピアニストを迎えて県合唱祭練習です。

「リフレイン」から。

ブログを振り返ると、223練で初めて音取り開始、気が付けば来週が本番。
はるばる離島より常任指揮者から課題が伝えられ

①テンポ(正確なリズム含)
②言葉を伝えよ
③曲想の理解(主旋の意識?)
……(課題の付箋、指揮者殿の楽譜には数十枚貼ってあると!

母音唱、リズム詠みから始まり、テンポの主軸設定、強弱の意識周知しつつの反復練習。練習時間の大半が骨格作りに費やされました。

優しい曲調に反するこの曲の奥深さ、表現する難しさ……

うーん、楽しくなってきた〜  (^^;)

良い加減な頃(煮詰まった?)、

「刮目〜」。

これは、ほっといても熱が入ります。皆、ホント、好きね、刮目(笑)

練習終盤、2つの問題点が浮き彫りに。

・「全員揃うの来週が初めて~♬
(パートバランス、どーよ?)

・プログラム
さて「刮目」「リフレイン」最適な曲順は、いかに……

いざ熊谷!
濃ゆ〜い週末をご一緒に楽しみましょう  (^_-)
(週中盤の天候の安定を心より願って)

ハイ、今週のブログ担当は、アルトのN・Kさんでした。

ところどころ、気になるワードがあるのはスルーしておいて・・・

次回は、6/15(土)高階公民館(東武東上線新河岸駅)14~17時
合唱祭の前日練習ですが、この日に見学に来たりすると、かなりのレアキャラ(?)に遭遇できるはずです!

気になったら、Join usのフォームからお問い合わせを!

そして、6/16(日)は熊谷でななしと握手!!
どんな「いいね」をいただけるか、楽しみです(^O^)

不定期更新の指揮者コラムは第3回まで公開中です。
第1回「“手段”としての音楽」
第2回「人は力」
第3回「合唱人は変人?」