指揮者コラム第6回「表現者としての義務と権利」

『芸術は、命令することが出来ぬ。芸術は、権力を得ると同時に死滅する。』太宰治

学校教員をやっていると、「話をする」機会が多いです。日々、子供たちに話をすることから始まり、学年の先生たちが集まって打ち合わせをしたり、保護者に電話をして連絡をしたり…。この「話をする」ということも、表現の一つだと思っています。

しかし、世の中を見ていると、どうも私とはタイプの違う、「話をする」人を見かけることがあります。私にとっては、例えばそれは、とある専門家の講義であったり、とある政治家の政見放送であったり、とある学校の先生のおもしろくない授g(自主規制)が該当します。これらに共通することは何かというと、本人は一生懸命話をしているつもりでも、聴き手に全然伝わっていないということです。さらに、人前に立っているというのに、聴き手を意識せずに、独り言のようにしゃべっている方さえいます。このような方々にとっては、“「話をする」ことで何が伝わるか”が重要なのではなく、「話をする」こと自体が重要なのでしょう。私は、ひねくれ者なので、こういう方々の話を聴いていると、どうも不愉快になってしまいます。「なんだよ。頭のいいやつが上から物を言ってらぁ。」と、受信アンテナをポキリと折ってしまい、その後の話が入ってこなくなってしまうのです。

さて、本題の音楽です。私は、外国語の曲を積極的に取り扱いません。その理由はなぜかというと、外国語の曲は、日本人に聴いてもらう場合、どうしても外国語の知識を強いることになります。演奏会であれば、パンフレットに歌詞と和訳を入れて対応することはできますが、そうすると聴き手は、いくばくかの集中をパンフレットに割くことになってしまいます。外国語曲の中にも、歌詞を超えてメロディーラインだけでも伝えたくなるという魅力的な曲も確かに存在しますが、それでも自分が感じている感動と同じ感動を伝えられるかどうか、不安になってしまうのです。
したがって、超絶技巧の楽曲、日本語とは言え解釈が難解な楽曲なども、同様の理由から、私は選曲する前にかなり頭を悩ませます。“この曲をかみ砕いて表現することはできるのだろうか”“この曲は果たして聴き手に伝わるのだろうか” …。ここで前向きな結論を出せないのならば、その曲を選曲することはできません。

自己の中で表現が完結してしまわないように。自己の中にある思いを表現する権利を得た表現者は、表現を受け取る者のことも常に考える義務があると、私は考えるのです。

※当団常任指揮者、平田由布による不定期連載コラムの第6回をお送りしました。
過去記事は、こちらからご覧になれます。↓

演奏音源:小さな空

小さな空~名前のない合唱団~

武満徹作詞・作曲の「小さな空」です。
独唱曲としても知られているこの曲ですが、こちらは無伴奏混声合唱です。
とても難しい曲ですが指揮に福泉博子先生をお招きして、川越市合唱祭に向け頑張ってみました。
合唱祭本番はやや気負いすぎたのか少々悔いの残る演奏となってしまいましたので、こちらは練習の最終テイクをアップしています。
ホールではなく、公民館での録音ですので多少お聞き苦しい点もありますがどうぞお聴きください。

本番の録音は団外秘とします(笑)

11/10 第50回川越市合唱祭

これが小春日和って言うのでしょうか。(なんか季節感がなくて。。。)
朝から気持ちのよい青空が広がり、都心では、祝賀御列の儀が行われるその日、第50回となる記念すべき川越市合唱祭が開催されました。
招待演奏の小中学校を合わせると、参加総数が約50団体を数えるので、1日がかりの大イベントとなります。

午前の部の途中では、副理事長 小野瀬照夫先生の指揮で、中学生までの子ども達の明るく元気なステージで、心が洗われました。

午前の部の最後を飾るのは、
川越高校 國弘雅也先生指揮で、大迫力の男声合唱「秋のピエロ」「ピエロ」
川越女子高校 栗原晶代先生指揮の女声合唱「落葉松」は、女子高生達のソロ、特に川女のソプラノが圧巻でした。
そして、今年全国大会4位金賞を獲得した星野高校 佐々木憲二先生の指揮で約300名による混声合唱「ハレルヤ」がウェスタの大ホールに響き渡りました。

しかし、これだけの指導者を抱えている、川越市合唱連盟って、本当にすごいなあ、と改めて思います。

さて、午後の部の開始です。

福泉先生は、一足先にCoro・Feliceさんを率いてオンステ。
若々しい「サウンド・オブ・ミュージック」、楽しませていただきました。

いよいよ、ななしの出番です。
少人数で頑張っている市立川越の透き通った歌声を聴いたあと、退席して、ホワイエで福泉先生と合流。
裏方に入っている2名も合流して、リハに入ります。

最初から通していったのですが、時間切れで、最後の和音が確認できず、不安を抱えたまま、舞台へー

そして、歌い終わってから、拍手までに間があったのが怖かった。
後で団員がとった録音聴いたら、やっぱりいまいち決まってなかったですね。
ああ、せめてあの台風で流れた1回ができていれば…

講師の先生の反応は―
◆大貫浩史先生(指揮者・声楽家)
憧れの名曲によくぞチャレンジしてくれました
あまり重々しくなりすぎないうに、それでいてタテのハーモニーが優雅に変化していく様をよく練習されたのだと思います。楽譜通りに演奏するだけでも難しいので、暗譜出来る所くらいまでやるといいかと思います。ありがとうございました。

◆大熊崇子先生(作曲家)
心のこもったあたたかい合唱をありがとうございました。
フレーズのまとまりを大切にした丁寧な音楽づくり、ステキでした。ピッチ、安定していますね。
音がぶつかったときのハーモニー、バランスを大事にされ、楽しみながら益々魅力的な合唱を作っていただければ嬉しいです。

適度に褒めて頂いて、嬉しい限りです。
客席で聴いてくださった方からも、色々と良い感想を頂戴しました
とにかく、この曲いつかリベンジしたいです。その時は、もちろん正指揮者で!

合唱祭終了後、一部の団員はいつもの宅飲み会へ。
録音を聴いて反省したり、気になるYoutubeの画像を見たり。
そして、今話題の早押しクイズアプリで遊んだりもして、いよいよクイズ研究会発足かな? などというお話は、またいつか・・・

さて、次の週末はお休みをいただき、その次の週は総会を開いて、今後の活動方針を話し合う予定です。
次回の練習は11/30(土)を予定しておりますが、時間場所等は改めてご連絡したいと思います。

見学などのご希望がありましたら、Join Usのフォームよりご連絡ください。

※当団常任指揮者、平田由布による不定期連載コラムページはこちら

11/9 明日は合唱祭

全員とは行きませんでしたが、本番に近い人数が集まった高階公民館。
福泉先生の練習もこれが最後となります。
丁寧に歌う事、強弱のコントロールは喉ではなく身体でコントロールする事などなど、いろいろ気を付けながら、曲を仕上げて行きました。

最後の和音の精度がまだまだ気になりますが、あとは、本番テンションでどれだけ持っていけるかでしょうか・・・

さて、明日はいよいよ本番です。

川越市合唱祭は、11月10日(日)9:30開場 9:45開演 入場無料です。
ななしの出演は午後の部、15:30頃の予定(進行状況により前後する場合があります)
個性溢れる合唱団が多数出演。50回記念の今年は男声・女声・混声合唱の合同ステージもあります。
また、ウェスタ前広場では、「小江戸川越お芋FESTIVAL!!」も開かれる様です。
お天気もよさそうなので、食欲の秋・芸術の秋を満喫にいらしてはいかがでしょう?

 

指揮者コラム番外編2「“ゆふさんといっしょ”に寄せて~『パプリカ』~」

“ゆふさんといっしょ”。なんというこっぱずかしい。これを考えたAさんのセンス恐るべし。そんなわけで、またふらりと出張に来た常任することができない常任指揮者の私を使って、楽しい企画を作ってくださいました。

お子さん連れの世代は、ちょうど私と同世代の方が多く、今回はそんな団員も気軽に来られる練習を…と思い、『パプリカ』を選曲しました。

ただ、私はこの曲、実は子供向けの曲だとは思っておりません。練習中にも言いましたが、この曲の中で私が一番惹かれるのは、

よろこびを数えたらあなたでいっぱい

…の部分です。「普段は当たり前のようにいっしょにいるけれど、自分の楽しかったことやうれしかったことを思い出してみたら、いつもあなたがいっしょにいたことに気付いたんだ。」友人にも、恋人にも、家族にも使えそうなこのフレーズが、私には刺さりました。

小さな子供たちはいいですね。練習中わちゃわちゃしているの、嫌いじゃありません。笑。でも、もう、すぐに、“小さな子供”ではなくなってしまうのでしょうね。他人の子は、どうしてこんなに成長するのが早いのでしょう。すくすく育ってほしいと思います。

七瀬さんのピアノは、僕の思い描いていないアプローチで、僕の思い描いていた音を奏でてくれる素晴らしいパートナーです。今回の短い時間の中でも、その片鱗は何回も見せておりました。お互い忙しく、なかなかいっしょに音楽をすることができませんでしたが、これをきっかけに、またいつか大曲に挑戦したいと思っています。

教え子とそのお母さんが来てくれました。教員冥利につきますね。音楽をやっていてよかったと思う瞬間でもあります。これからも、いつでも“ゆふさんといっしょ”したくなったら、来てくださいね。

終わった後の会も最高でした。団長が○○○を×××したもんだから、みんな楽しい時間を過ごせましたね。脚を向けて寝られません。”脚”を。

料理もケーキも大変美味しかったし、ゆっくり皆さんと話すことができました。

さて、次はいつ、どんなことをやりましょうかね。楽しい企画を考えましょうね。

…“みなさんといっしょ”に素敵な音楽ができますように。

令和元年10月20日(日)
平田 由布

※当団常任指揮者、平田由布による不定期連載コラムですが、今回は番外編2回目、スペシャルステージ開催を受けての、記事を寄せていただきました。
第1~5回&番外編その1は、こちらから↓